強く目をこするとコンタクトレンズが割れた
今日も何かで自分を誤魔化さないと生きていけない
諦めたり開き直ったりすることすら不可能な
容赦のない町内
馬鹿げた祭りに駆り出されても
居所が無くて酒ばかり飲んで微笑んでいるだけだ
それが役目なのならしかたがない
でも桜なんか咲いてないじゃないか
一陣の砂埃が舞うとなぜか異国の少女が立っていて
微笑は天使のようだが言葉使いは
地元の小学生だ
異質な体躯が私の意識に靄をかける
どんな励ましも気休めにしかならない
何十年もだまされ続けてきたのに
まだ何者かに操られている
せめて正常な睡眠をと祈ろうとしたが
心に浮かぶ神は肥満した妻の姿なので
酒屋じゃなくてスーパーで
ウイスキーを買おうと決意した