昔から違和感があった。官話では「ジュウロン」だし、広東語では「ガウロン」だ。「九」を「クー」と読む用例を知らない。強いて言えば日本語の「キュウ」ぐらいだねえ。まさか、台湾の「高雄」を「タカオ」って読んじゃう日本特有のズボラ言語習慣なんじゃあるまいな。
と思ってちょっと調べたら、どうやら戦時中の日本語呼称の名残らしい。なるほど。でも、なんで今でも残るんだろう?
例えば最近は「台北」はあまり「タイホク」とは読まない。私が子供の頃は結構言っていた記憶があるが、いまではあまり聞かない。みんな「タイペイ」って言う。
つまり、「タイホク」から「タイペイ」へ現地語ベースで変化したのに対し「クーロン」から「ジュウロン」への変化は起きなかった。
おそらく多分「九」を「ジュウ」と読むことにハードルが存在するからではないか。「ジュウ」は「十」だよ、日本人には。同様に「高雄」は日本人にはどう見ても「タカオ」なので「カオシュン」と発音するハードルが高い。
個人的な愚考にすぎないけど、こんなところで自分を納得させようと思う。
ミヂカニ「クーロン」トイフモノアレバ、ソレハ「ジュウロン」デアルト、オシエテマワル、ソンナモノニ、ワタシハナリタイ。
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— えでぃ (@stykhr) 2015, 3月 27