花のピュンピュン丸
昔、夏休みの間、毎年繰り返し昼に再放送していた。いつからやらなくなったのかなあ。ほとんど風物詩化していたし、小学生の私はとても楽しみにしていた。 ところで正式名称は「花の」は付かないみたいですね。なんでだろ?
「つのだじろう」といえば弟の「つのだ☆ひろ」が有名だ。名前に読めない文字を入れ込んだ最初の人じゃないかな、と私は思っている。「、」や「。」を付けるのはあざとくて嫌い。ただし「藤岡弘、」を除く。理由は…尊敬してるから。
そして、かの「小野田寛郎」さんも「おのだ☆ひろお」とすべきではなかったか、と思う。去年亡くなってしまいましたが。
ピュンピュン丸はぶっ飛んだナンセンスで私は大好きであったが、大人の評価は悪かったらしいです。ま、そりゃそうでしょうねえ。当時の日本の大人を想像すれば、フザケたものに対する風当たりは半端じゃなかったと思う。でもクレイジーキャッツとか人気でテレビにもよく出ていたけれど。逆につまり、その辺が限界だったということだろうか。
撲殺天使ドクロちゃん
時代は下り、ドクロちゃんだ。初見の衝撃は忘れられない。
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ピュンピュン丸が制作されたのが1967年というから、ドクロちゃん放映の2005年まで、実に38年経っている。
いろんな大人の事情や制約があったと想像されるが、そんな中で、これほどのものをクリエイトして公開することができるようになったのは、日本全体の社会性とか文化への認識が、そこそこ成熟してきたんだな、と感慨にふけったものである。
あまりに異常なキャラクターと状況、なのに通常な学園生活。撲殺どころじゃないスプラッター。中学生なのに回転の速いセリフ。結構なエロさ。本当に驚くべき画期的な作品だ。
今思えばこのころが最も幸福な時代だったのかもしれない。
おそ松さん
そして今年、さらに驚くべき作品が登場した。第一回見ましたか?
震災後、日本はガンジガラメ感が半端ない。コンプライアンスがー、とか言って出る杭は打たれる。届かない杭は訴えられる。たった数件のクレームに委縮する。何をそんなに恐れてるんだろう?
わずかな齟齬がネットでこれでもかと拡散される。それでとんでもない大事のように錯覚する。実態はネズミ一匹に過ぎないのに、大山鳴動しちゃうわけだ。
こんなに委縮しちゃった日本では、もう面白いものは制作できないんじゃないか、という諦念のなか、おそ松さんは放映された。
考えられる数々の困難をやすやすと克服し、信じられないドライブ感でパロディを連発、ブラックなセリフもアクセントとなり、実力派声優さんの解き放たれたような表現力。もう、凄いとしか言いようがない。
第2話以降も1話のような爆発力はもうないが(あんなもの毎回やられたら観るほうもたまらん)ナンセンスとブラックと不思議な作画と声優さんで死ぬほど面白い。世の多数の人と同様に中毒となってしまった。
5話の猫の話で、あれっ、5人しか居ない。まさか、と思ったらそのまさかだった件とか、決して視聴者を馬鹿にしない態度が素晴らしい。いまのテレビは視聴率稼ぎ至上主義で、見るものをバカにしまくりだからね。
良く出来ました。って言ってしめるのは簡単だが、実は結構な意味合いが含まれるんじゃないだろうか。これがテレビで放映されているという事実が。