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「ゼロ・グラビティ」は何故最悪な邦題なのか?

「ゼロ・グラビティ」は素晴らしい映画でした。終始息が詰まる緊張感で、こんな映画見たことがない、どうやって撮ったんだろう、すごい、って思いました。 

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しかし、邦題の「ゼロ・グラビティ」はいただけない。原題は「Gravity」です。ゼロは付きません。

日本語で言えば「重力」という題を「無重力」に変えてしまった、ということなんです。これでは意味合いが全く変わってしまいます。

この映画は、宇宙での絶望的な状況から、女性科学者が無重力状態の中をサーバイブするので、宇宙での無重力が主人公といえばいえるんですが。

光がなければ闇もありません。同様に、重力がなければ無重力はないのです。この映画のテーマはこれなんだと思います。

何ですか、あのすべてが慣性で動く世界は?あんな世界では人間は確実に気が狂います。つまり、無重力をこれでもかと表現することは、私たちは日常、重力の中で生活しているということをもっと意識してみなさい、ということなのです。

(以下ネタバレ)

だから、中国の宇宙船で帰還して地上に降り立った時の喜びが、この映画で最も表現したかったことなんじゃないだろうかと思いました。美しい浜辺と踏みしめる土。重力とはすなわち地球です。

邦題を決めた方々はこの場面を見てないんでしょうか?私はこのエンディングを見て、なるほど「Gravity」だ、と感動したのです。

だから、この映画のタイトルは「ゼロ・グラビティ」ではなく「グラビティ」でなければならないのです。