アル中からの脱出あと10年

EddieTheFeminist 家庭内別居中

涙ではなくて涎

今夜も口元がだらしなく緩み
眠ろうと努力する枕が濡れる
涙じゃなくて涎
歯を一本失って堤防が
崩壊したかのようだ
たとえばどんな音楽にも意味が見いだせなくて
いつの間にか庭にアリの巣があって
もはや観察の時間のほうが長い
馬鹿みたいな晴天が何日も続いていて
なにか最低限のものが
引き止めておかなきゃいけなかったものが
指の隙間から砂のようにこぼれる
それから
指の隙間からのぞく瞳が見つめる
人間じゃないものであふれる世界で
人間でいるしかないじゃないか僕らは